偏光レンズ耐久テスト

熱と湿気に弱いといわれる偏光レンズ。
実際に夏の炎天下、高温の車内にて耐久テストをおこなってみました。

用意したのはCR39プラスチック素材の偏光レンズ2枚(マルチコート付き)
ガラスの偏光レンズ1枚(ARコート付き)

CR39は、「シューティングレッド」の2級品を使用
ガラスのほうは加工ミスしたものをテスト用として使用しました。

ガラスレンズとCR39の1枚には、水を滲み込ませたティッシュをビニールの中に入れ密封させます。
もうひとつのCR39レンズはビニールに入れ密封しただけの状態です。
テスト開始時の屋外温度は39.4度
三種類のレンズを車のダッシュボードに置きます。

温度計は早くも40度を超えます。

10分足らずで温度計は50度を超えました。
時計が壊れそうなので温度計はここで車外に避難。
車内温度は60度は超えていると思われます。

小さいお子さんやペットなど僅かな時間でも車内に置きっぱなしは非常に危険です。

約30分経過。

ここでレンズの様子をチェックしてみます。

ビニールに入れただけのCR39レンズ。

分かり難いと思いますが異常なし。
水分を入れたCR39レンズ。

こちらも異常なし。

水分を入れたガラスレンズ。

こちらも異常なし。

 

もう一度テスト開始。
一気に2時間放置してみました。
ビニールに入れただけのCR39レンズ。

分かり難いと思いますが目に見える異常なし。
水分を入れたCR39レンズ。

マルチコートが無残なまでに剥がれてしまいました。

水分を入れたガラスレンズ。

ARコートが僅かに剥がれています。

コートの剥がれたレンズですが、偏光膜のほうは十分機能していました。

結論としては、今回の実験ではあえて過酷な状況を作っていますが、水分がレンズには一番の敵ということが証明されたと思います。
水分+熱という悪条件が重なると1日持たずにレンズにダメージを与える可能性が有るということです。
特にマルチコートやARコートは汗や整髪料などに弱く、それらが付いたまま高温の場所においておくとレンズは痛みやすくなります。これは偏光レンズに限らずメガネレンズにも言えることなのでご注意ください。
夕立に合いズブ濡れになった偏光サングラスを濡れたままケースに入れ高温の車内に放置すると、蒸れた状態になり今回の実験に近い、レンズにとって一番悪い状況となります。
今回は、偏光膜には目に見えるダメージは現れませんでしたが、湿気が偏光膜に侵食していったり、レンズと偏光膜の接着が剥がれる危険性があります。
更にプラスチックレンズは60度を超えるとレンズにクラックが入りレンズ自体に歪みが出ると言われています。
夏の炎天下釣りでは、車内に偏光やメガネを置きっ放しにしないよう持ち歩くことをお勧めします。