C.M.W(Certified.Master.Watchmaker)

公認 高級 時計師

マイスターとは最も権威有る時計職人のことである。
それは最高峰のCMW(CertifiedMasterWatchmaker)の称号をもつ者たち
その卓越した技術はこの一文に集約される。
「明日亡命しても世界中どこでも口をきかないでその日からメシが食える人」
(開高健「最後の晩餐」文藝春秋より)

日本で第一回目のCMW資格試験は1954年(昭和29年)に開催された。それは当時世界で最も権威ある時計技術検定試験であり、試験内容は難関かつ多岐にわたるものだった。
この試験の主催は米国時計学会(HIA)日本支部であり、その目的は第二次世界大戦後、低迷する時計師全体の技術力の底上げだった。この試験をきっかけに、労働省主催の技能国家検定などが実現し、日本の時計産業はスイスに肩をならべるほどになったのである。1954年から1981年の27年間でCMWに合格した人は800人、しかしながら、その後はクオーツ時計の全盛となり1981年以降は一人の合格者もなく試験自体も自然消滅してしまったのである。