レンズマスター的色彩学

カラーフィルター効果

カラーフィルター効果とは、ある特定の波長(色)を吸収し、残った光(色)を透過しより際立たせて見せる効果です。
例えば色料の三原色の一つである黄色のフィルター(レンズ)では、短波長の光(青)を吸収し、吸収されなかった波長の光(色)を透過します。

なぜ海の水は青く、湖の水は緑なのか?
で説明した水の色もこの原理で、青く見える水の色は、赤の波長を吸収し反対色である青が強調され青く見えます。


光りの波長をおおまかに色分けすると以下のようになります。
短波長域=青
中波長域=緑
長波長域=黄

色料の三原色をカラーフィルターとして、各波長域の吸収を表すと以下のようになります。
黄色フィルター=短波長域(青)を吸収
赤紫色フィルター=中波長域(緑)を吸収
青緑色フィルター=長波長域(赤)を吸収

見ようとする対象物と同系色のカラーフィルター使うと背景色と同化して見にくくなるという人が結構いますが(サイトや雑誌等でそういった記載を目にします)、色彩とカラーフィルター効果という観点からすると間違いです(100%間違いではないのですが、これに関しては複雑なのでまた詳しく説明します)。

基本的にはフィルターのカラー(レンズカラー)と同系色を強調し、反対色が見にくくなります。

上の色相環の対角線上にある色が反対色となります。
この組み合わせから見ようとする対象物と同系色のレンズカラーを選んだり、背景となる色の反対色を使用することで背景をぼかし対象物を際立たせることが出来ます。
無彩色であるグレー系のフィルター(レンズ)は、どの色の波長も同じように吸収するため、特定の色が強調されて見えるということは無いのですが、人間の目で見るのと同じように自然に見えます。


上の図(左側)は、黄色いレンズの透過色を表した物で、赤い線がどの色の波長をどのくらい透過しているかを表しています。
紫・藍・青といった短波長の光りが多くカットされ、緑から黄色・橙・赤といった波長の光りが多く透過しているのが分かります。
レンズの明るさを表すものとして可視光線透過率がありますが、紫から赤までの人間が明るさを感じることの出来る可視光線全体を表しているだけなので、どの波長をどのくらいカットしているかは分かりません。
例えば、上の黄色いレンズでは可視光線透過率は30%くらいですが、紫や藍・青は10%以下の透過率になって、黄色から赤は40%の透過率、青から黄色の間にある緑は、10%ほどから40%までに変化しています。
ローライト用として使用させている黄色いレンズは、暗く感じる紫・藍・青の光りをカットして、明るく感じる黄・橙・赤の光りを多く取り入れるために、同じ可視光線透過率を持ったレンズより明るく感じられるのです。
更に短波長域がカットされ、波長の幅が狭くなるため網膜にピントが合いやすくなるのでコントラストが高まります。

このように各カラーにはそれぞれの特性があり、レンズカラーを使い分けることで視界が明るくなったり、対象物が見やすくなったり、眩しい光を和らげたりすることが出来るのです。